カードを外貨建てで使った場合の手数料(海外決済事務取扱手数料/Foreign transaction fees)は公式では1.63%の数字が多いが、実際の数字はなぜか違う。特にVISAとMasterの差が意外と大きい「感触がある」。「感触がある」ではなく、統計的に意味のある数字を出したいが、それができるのはMoney Forwardなど限られた位置にある者だけであり、個人でできることはかなり限られる。とはいえ、何もしないのは癪なので手持ちのデータの範囲で検討してみた。

VISA v. Master Edit

  • TTMにどれだけ上乗せされているか。
  • 表下は、100万円分使ったときの差額。
  • 信頼係数95%。

  • 換算日が分かるもの(三井住友カード、JCBカード、セゾンカード)と換算日を合理的に推測できるものだけを集計。利用日を単純に換算日と仮定したものは集計に一切含めなかった。換算日の推測は,VISA/Master等のレートに各カード所定の公式手数料を乗せたレートと,カード明細記載のレートとの乖離が0または十分小さい日を換算日と推測した。十分小さい日がなく換算日を合理的に特定できなければ集計から除外。上記観測個数は,実際に最終の計算に使った取引のみの件数。除外取引を含まない。
  • TTMは原則として三井住友カードなら三井住友銀行,DCカードなら三菱東京UFJ銀行を使った。ただし,三井住友銀行は台湾のTTMを公開していないなどの場合は適宜,日本の他行を使った。VISA/Master等のレートはそれ自体がTTMより悪いので,基準はあくまでもTTMとした。
  • DCカードのMasterは持っているがVISAは持っていない。DCカードは手数料が上がってからは海外のショッピングで使うのをほぼ止めた。(キャッシングにはDCカードを専ら使っている。)Cf. 外貨でのショッピングご利用代金を円貨へ換算するための事務処理手数料改定のお知らせ(Visa・Mastercardをお持ちのお客さまへ)|クレジットカードなら三菱UFJニコス
    • もっとも、最近のデータを見ていて気付いたのだが、DCカードは公式の手数料率より実際の料率はかなり低いようだ。しかし、為替リスクが大きい傾向もある(実際の換算日(推測)が利用日からかなり離れている)ので痛し痒しだ。一概に有利なカードとは言えないようだ。
  • 実際は発行会社その他の要因も影響しているようだが,分析するにはサンプルの多様性が全然足りない。
  • この表は原本からリアルタイム更新なのでたまに実験中の異常値が表示されることもある。
  • 三井住友カード、JCBカード、セゾンカードは換算日(三井住友カードが何日のレートを使ったか)が明細に表示されるのでデータを分析する上で重宝している。換算日が営業日でない場合,実際に適用されているのは翌営業日のレートみたいだ。(私個人のデータしかないのでサンプルサイズが圧倒的に不足するのだが。)MasterやVISAのウェブでは営業日以外の換算レートも見られるけど,そのレートはTTMより上乗せがあるので,カードの実質手数料を比較する上でよい基準とは言えない。
  • 換算日が書いてないカードでも推測は立つ。VISAまたはMasterのレートから実質手数料を計算して1.67%(あるいは各カードによる公式値)に一番近い日が換算日だろう。

同日同店で競争 Edit

もう一つ、比較方法がある。同じ時刻に同じ店で複数のカードを使って相対評価する方式を試した。米国amazonでギフトカードをチャージして試している。これなら観測個数を増やすのが簡単だ。

右はTTMとの比較(いわば絶対評価。換算日)。左はANA Masterとの相対評価。各カードの請求書記載の「換算レート」(これは必ず載っている)を比較している。

  • 見ての通り、JAL DC Masterの誤差が非常に大きく、統計的に意味がない。(その結果、JAL DC Masterを加えて「Master, VISA, JCB」という比較をすると統計的に意味がなくなってしまう。)JAL DC Masterの誤差が大きいのは、換算日(これは非公開)が利用日から(大きめに)離れているか、(そもそも)一定しないか、その両方か、だと推測する。ANA Masterとブランドは同じであるから、換算日が同じであればレートも同じになるはずだが、この通り全然同じにならない。

とりあえず、ANA MasterとANA VISA Suicaの比較では、VISAの方が手数料が高いと言える。どちらも三井住友カードで、換算日が明記されているので、TTM比で比べても無理がないカードだ。JCBの数字は誤差がまだ大きめであり、何とも言えない。

  • TTMと比べる方式には課題がある。いつのTTMと比べるかだ。「換算日」は一つの基準になるが「換算日」が非公開のカードの方が多いだろう。また換算日のTTMが休業日で取得できないことも少なくない。そもそも、比較する日が利用日から離れれば離れるほど、為替変動のリスクが大きくなり、ブランドやカード会社の手数料なのか、それとも為替変動による偶然なのか、区別が難しくなりそうだ。では利用日のTTMで比べたらどうか。それなら為替変動リスクを排除できそうだ。もちろん、利用日のTTMが手に入らないこともあるし、どの銀行のTTMを使うか、その他の課題はある。しかしそれは決めの問題であり致命的ではない。さて、実際に計算してみると、「そうだ」の通りには行かないようだ。
  • 3つの方法には以下の差があるようだ。
    換算日のTTMで比較する(絶対評価)カード発行会社の上乗せ分を見る。
    利用日のTTMで比較する(絶対評価)カード発行会社とブランドの上乗せ分を見る。しかし誤差が全く収束せず、しかも各カードの誤差が似通っており、解釈が難しい。私の気付いていない要因がある。
    相対評価為替変動リスクを含む消費者の負担を見る。誤差は為替変動リスクを見るのに適する。
  • 相対比較の誤差の大小は、主に為替変動リスクを示している。利用日と換算日(公開非公開問わず)との間の日数が主に左右しているはずだ。
    • しかしその他に、換算レートが為替変動のトラッキング以外の要因に左右されている要素もあるだろう。根拠は、TTM比の誤差のANA PASMO JCB(換算日が明記されているカード)の値が特に小さいことだ。JCBの自社発行カードであり、VISAやMasterブランドのような中抜きする人が、他にいない(JCB単独のルールで換算レート=上乗せ率が決まっている)ことを示しているという推測が立つ。
  • TTM比の誤差が小さいことは、カード会社が上乗せする率のルールに、消費者にとって未知の要因がないことを意味する。特に換算日を明記しているカードに妥当する。この点で、ANA PASMO JCB(換算日を明記)が特に小さいのは、JCBの自社発行カードであり、VISAやMasterブランドのような中抜きする人が、他にいないことを示しているのかもしれない。
  • ちなみに、実験開始当初は間隔を空けずに連続的に複数のカードを使ったが、8順目でカードブランド(Master)から承認拒否された。拒否したのはamazonや日本のカード会社ではない。カード会社に自分から電話して照会したら、カード会社側にはデータが来ておらず、従って拒否もしていないし、何も情報がない、とのことだった。Masterのカード(発行会社は違う)だけ拒否されたので、Master側(Master段階というべきか)の拒否判定だと推測できる。Masterが拒否するとカード発行会社にも情報が(少なくとも利用日前後の時点では)行かないようだ。(一定期間でまとめて報告されることはあるかも。)
  • JAL DC Masterの分散を人為的に小さくすることもできそうな感じ。利用日と換算日(早ければ翌日)が、日本と米国いずれの休日にもかからないように利用すればよい。しかし、実際の買い物行動とは離れてしまう。ここではそういう操作はしていない。

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Last-modified: 2018-05-26 (土) 18:56:28 (1d)